7 前立腺全摘のあと

ていいちOTP

 手術が無事終わり予定どおりに10日間の入院を終え家に戻ってきました。“大きな手術”だった割には退院するときの体調は思ったよりも軽快でした。下腹部が重く感じましたが痛いという感じではありません。退院後の最初の通院は約1ケ月後の8月31日ということになりました。


 退院する際には病院から我が家まで自分で運転しました。若い頃からクルマが好きで、無事に手術が終わったと思うと運転がしたくなりました。妻は心配しましたが助手席に乗って貰いました。歩いても運転をしても下腹部が重く感じるほかは痛みや苦しいところはありません。そんなわけで問題なく30分ほどのバイパスを運転して帰ることができました。
 手術のあと、全摘した前立腺の表面に顔を出している1mmのガンがあるというのが気になりましたが、とにかくガンになった前立腺を摘出したというスッキリ感を深く感じました。それに悪性度(グリソンスコアー)が6というのもかなり気楽な感じがしました。
 暑さに弱い私は8月の終わりまで手術後であることを言い訳にして外出はあまりせず家の中でダラダラと無為に過ごしていました。しかし退屈するということは無く、ネット検索をしたりデジカメを弄って我が家のネコを撮影したりテレビドラマを観たりして過ごしていました。
 

 8月31日の通院予約日がやってきました。樹脂製のカードになった診察券を受付機へ入れると、その日の受診とその前に尿検査と血液検査をする場所を指示する書類が印刷されて出てきます。大都会の病院でなくてもIT化が進んでいます。(今では新潟市も都会と思えますが)
 採尿をやり血液検査を終えて泌尿器科の受付を経て手術をして貰った主治医の診察室前で待ちました。血液検査の結果を外来医師のもとへ届けるのは緊急扱いになるらしく、明細書には緊急扱い分の点数が計上されていました。それでも診察室へ入るまで時間がかかりました。


 かなり長く待ったあと診察室の前にその日の受付番号が表示されました。診察室へ入ると主治医は手術後の体調を尋ねてくれたあと「PSA値は0.01です」と言いました。手術前は4.369でしたので、とても安心しました。しかしそのとき主治医の口調がすこし暗いような気がしたのですが、それは後になって思い出すまで気にはしませんでした。
 本当はこの病院でのPSA値測定は0.008(未満)が最良なのでした。0.007という検査結果の表示はないのです。(測定する設備によるらしいです)次回の通院は11月30日になりました。


 この時は未だ尿が出難くなるという運命が待っているとは想像もしませんでした。主治医に『ハイキングをしたりしてもいいですか」と訊くと「問題ないですよ」と言われましたので下腹部の重さが軽くなるにしたがって里山歩きや軽い登山に妻と一緒に出掛けるようになりました。やはりダビンチ手術は体への負担が少ないと実感できました。
 このあと排尿で困ることになるのですが、それはダビンチ手術だからというわけではありません。前立腺手術のあとの排尿障害といえば尿漏れですが、これについてはとても順調に改善していきました。手術のあと尿漏れ対策用のトランクスを幾枚も用意しましたが、それ程に必要がなかったほどでした。
 このあと、主治医が指定した通院日の11月30日を待たず10月6日に通院せざるを得なくなるのです。
次は 8_手術後(その2)

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