令和元年のこの夏は殊のほか暑かったという印象です。例年と比べて平均気温がどうだったかというよりも、飛び抜けて暑い日があると“暑い夏だった”という記憶になります。
 台風がやって来るとフェーン現象で堪らなく暑くなります。フェーン現象は新潟以外ではあまり耳にしない気がしているのですが…。新潟は富山県や山形県と比べると南北に長く何処をとっても東側に標高の高い山脈があるからでしょうね。

 9月に入っても、ここ新発田の北隣の胎内市で37.1度を観測したりしています。早く秋めかないかと心待ちにしつつも11日には前立腺手術から3年目の検査日が迫って来て、どうしても不安な気持ちになりました。正確には9月11日は3年と1ケ月です。
 前回2年6ケ月の際に先生から「もう2年半だから、よほど何かが無ければ大丈夫ですよ」と、かなり安心させて貰ったのですが、そうはいっても…。なぜなら本当に大丈夫なら定期通院は必要ない筈なのですから。(また理屈っぽくなってしまいました)

 昨日(2019/9/10)までは30℃を越える時間帯が長かったのですが、今日11日は最高気温が25℃とかなり楽になりました。新発田から新潟市民病院まで、普通に走れば30分で十分到着できます。しかし朝は通勤時間帯になり渋滞に近い混雑が予想されるのです。
 9月11日の今日、7:00までBS放送で流れる再放送の〈こころ旅〉を観ていました。〈こころ旅〉は火野正平さんがちょい悪じいさんのようですが飾り気のない“そのまんまの姿”が気取りが無くて良いのかも知れません。今朝の再放送は北海道の僻地4級という学校へ新採用で赴任した人の思い出を辿っていました。
 火野正平さんと〈こころ旅〉スタップが走る映像を観ていると春に観たときよりもずっと深く投稿した方の思いが迫ってきました。今朝は半ば安心してもいましたが、やはり手術後の経過を目の当たりにするのですから同じ映像を観ても心の琴線に触れてしまうのでした。

 病院へは8:00少し前に到着でき丁度良かったと思いましたが自動受付機稼働は8:00からになっていて驚きました。病院のHPでは8:15になっていたのです。3台の自動受付機の前にたくさんの人が並んでいます。
 受付後いつものように採尿、採血をして貰いました。毎回思うのですがスタッフの方々は患者1人々々に自然な優しい笑みを絶やさず対応されています。あれ程の自然な笑みを誰にでも見せるなんて神業だと思います。心の琴線が震えました。心の奥にある不安のせいでナイーブになっていたのかも知れません。ナイーブなんて若い人のようで少し恥ずかしいですが。

 診察室の前の待合スペースには既にかなりの人がいました。確かに自動受付機の前に人が並んでいましたが皆さんが泌尿器科の患者ではないのに…。8:30頃から待っていましたが診察室へ入ったのは10:45頃でした。半ば安心してはいましたが不安も半ばで2時間あまり待つのは楽しくありません。
 待合スペースには患者本人と奥さんらしき2人連れが多かったです。お隣さんもそうした2人のようで“長く待たされる”ことに気を揉んでいる様子でした。奥さんとかご家族と通院しているのは不安な気持ちが深いからだと思います。なので待っている時間がなお辛いのでしょう。しかし医師をはじめスタッフの方々もきっと精一杯に対応しています。それは間違いないと思います。病院は大変なところだと思います。

 この日も妻が持って行くようにと手渡してくれた本がありました。それは図書館で借りてきた〈遺す言葉〉という本でした。私たちが良く知っている、いわゆる有名人がガンとどのように対峙したかをオムニバス形式で載せた本でした。妻はその類の本をよく読んでいますが前立腺ガン手術後の定期検査日に読むにはシンド過ぎるのでした。本を読むのはやめウォークマンに替えてイヤホーンを耳に着けました。しかし芸術的な音楽を受け入れるには不安が邪魔をして楽しめませんでした。

 2時間あまり、あーでもないこーでもないと思いあぐね周囲の人たちの様子を観察して今の自分はとても幸せな部類に入るのだと自分を慰めながら診察室の前の液晶画面に受付番号である[25]が表示されるのを待ちました。
中には診察室へ入ったっきり30分も出て来ない人もいて、そんな時お隣の夫婦連れの奥さんが幾度も「長いねー、30分もになるよ!」とやきもきしていました。私も早く診て貰いたいのですが、お隣が先に診察室へ入ればいいと思い始めていました。すると診察室の液晶表示に[25]と[○△□]と表示されました。お隣はまたがっかりしたようでした。

 診察室へ入ると先生は尿の出方などを尋ねたあと「前回と同じ状態です。0.008未満、問題ありません」と教えてくれました。ホッとしました。ついでにクレアチニンも尋ねました。まぁ前回と同じような値でした。

 とても気持ちが楽になりました。泌尿器科受付で診療費の計算が終わるまで待ったあと「診療費の清算をしてお帰り下さい」と告げられてから、カードを使って自動精算機で処理を済ませ病院の玄関を出ました。昼前の時刻になっていて気温が高く曇り空、湿度も高くムッとしていました。しかし気になりませんでした。

 次の通院予約日は令和2年3月4日になりました。

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