平成28年(2016)11月30日に新潟市民病院へ通院し、排尿には一応問題ない状態でしたので尿道ブジーはせずPSA値も手術後第1回目の通院時よりも下がりました。もちろん未だ不安も残りましたが、“これで安心すべき”と自分に言い聞かせました。次回の通院について主治医は「もう半年毎でいいんだけどなぁ」と独り言ちるように口にしました。


 実はこの時はPSA値よりも排尿がこのまま旨くいくだろうかという心配の方が大きかったのです。人間、どうしても差し迫ったことの方が怖くなるものだと実感しました。そのため私は「排尿の方の心配もありますから2ケ月後に診て貰って経過が良ければ次からは半年毎ということにして下さい」と希望を述べました。

 …次回の通院は2月1日ということになりました。2月1日になれば前回(2度目のブジー)から3ケ月が経過します。その時点で良好なら“ひとまず気楽”かなぁという思いでした。次回の通院予約日を迎えるまでの2ケ月間、それまでになく真面目な気持ちで冬を迎える準備としてクルマのタイヤ交換をしたり家の前の雪除けを繰り返したりしました。

 冬の重い雪空さえ見上げる度に意味のあるものに見えました。雪国では雪は厄介ものですが山沿いでなければ一面の真っ白な雪景色を楽しむ余裕もあります。(こんな感想を口にすると山沿いの雪深い処の方々に叱られるかもしれません)


 2017年を迎え齢を重ねる2月の1日通院し、いつものように自動受付機に感心しながら採尿・採血を済ませ、例によって長く廊下で待ったあと診察室へ入りました。この日の診療予定には“ブジー”の文字が入っていました。普通に排尿できていましたが気持ちが重くなりました。
 医師は排尿の具合を尋ねてくれ、「PSAは0.008(未満)」といいました。安堵しました。排尿の具合は2ケ月前と同じ状態を保っていてPSA値も上がってはいませんでした。「ブジーは考えもしない感じですか?」と尿の勢いを尋ねたあと医師は表情を緩めて言いました。「今の時点でこれなら寿命に追い付かないですよ。命を脅かさないならガンがあっても構わない訳ですから」
 その日とても安心して帰路につきました。しかし家に戻って素朴な疑問がもたげました。『あの先生は私の寿命をいつまでと想定しているんだろう?」でもそんなことを拘らなくてもいいと思えました。そんなふうで前回医師に話していた通り次回の通院は2017年8月2日になりました。


 ネット検索をすると『医師が6ケ月毎といっても“絶対”3ケ月毎にした方がいい』という記述もありますが、私は6ケ月毎でいいと考えました。
 ダビンチ手術の順番に入れて貰った時も手術を待っている間治療をしませんでした。思い返せば市の検診で経過観察になった時点で針生検をすればもっと良かったのか?きっとそうではないでしょう。時期が早過ぎれば針生検で引っ掛からなかった可能性があり、生検の結果陰性となれば安心してしまい、そのあと5~6年はPSAの検査をしなかったかも知れません。これはかなり結果論ですが針生検のタイミングも手術のタイミングも幸運だったと思いました。


 そして半年後の通院日8月2日、PSA値は変わらず0.008未満でした。ただこの日主治医が腎機能の指標であるクレアチニンの数字を見て「腎臓の機能が落ちている…」といいました。クレアチニンの値は1.08でした。
 この病院の検査では当時1.00が上限になっていました。この値も検査機器によって上限値が異なるのか、私の掛かり付け医院で採血すると(近隣の医院の血液検査は市内の健康開発センターに依頼しています)上限値は1.1となっています。
 数年前にもクレアチニンが1.3などと高かったことがあるのですが掛かり付け医は「他の数字が悪くないから…あなたは腎臓が片方しかないから数字が良くないのだろう。クレアチニンそのものは体に悪いものではなくて腎機能の指標として使っているだけだから」と言われていました。
 手術をして貰った主治医にそのように話しますと片方の腎臓がないことを思い出したように「ぁそういうことか」と納得した様子でした。


 更にその次の通院は2018年2月7日になりました。その日診察室へ入ると「何か心配なことがありますか?尿が出難いとか」といいます。私は「連日の雪除けでしたからクレアチニンが上がっているのが心配です」と答えました。この日、PSA値は0.008未満、クレアチニンは1.16でした。クレアチニンが高いのでいろいろ医師に尋ねましたが医師は「そんなに心配しても仕方がない。毎年検査をしているのですから…。何年も病院へ行かない人なら別だけど」そう言ったあと更に「透析になる人のクレアチニン値は5.0台ですから」と付け加えたのでした。


 実はクレアチニン値が下がっても腎機能が回復した訳じゃないのです。そのことはNHKの〈ガッテン〉やネット検索で知っていました。しかし指標の数字が下がれば少なくとも悪化はしていないと思えるのです。クレアチニンは大まかには筋肉の老廃物みたいなものらしいです。ですから一般的に筋肉量の差がある男と女では基準が違うのでしょう。その点私は子供の頃からずーと変わらず筋肉量が少ない体格です。それにも拘らずクレアチニン値が高いのは心配なのですが…。

 その次の通院は2018年9月5日でした。この日、PSA値は0.008未満、クレアチニン値は1.10でした。診察室で「通院の日が近付く度にびくびくしています」と話すと「もう2年ですからね。上がる人はもうとっくに上がってます」と応えてくれました。かなり安心しました。クレアチニン値も前回の1.16よりも下がっていますので一応安心できました。

 次回の通院予約は2019年3月13日になりました。(これを書いているのは2019年2月25日(加筆前)です)次の通院の結果は11_○○でご覧ください。通院日以降にページを作ろうと思っています。
次は11_手術後2年半

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10 手術半年から

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