ていいちOTP

 1_CB350……社会人になって半年目に購入しました。職場から20万借りました。高校生の頃、兄が持っていた250ccの〈ポインター〉に乗せて貰って以来、新車のオートバイが憧れでした。同じパワートレインでエクスポートタイプというスマートな車種もありましたが、敢えてこの重厚なタイプ?を選びました。カラーはブラックメタリック、前後のタイヤフェンダーは美しいクロームメッキでした。車重は重かったのですが排気量が大きいので加速感はもの凄かったです。これで110㎞/hで走ったことがあります。そのスピードで左手をハンドルから離すと風圧に逆らって手を戻すのが重く感じました。今思えば危険なことをしたものです。
 175ccのシリンダーを並列に2気筒です。キャブレターはツインでしたが、私の使い方ではシングルキャブで十分だったと思います。新発田から会津若松まで日帰りで往復しました。現在と違って49号線が所々ダートでした。もちろん細部のルートも今とは違って上り下りがずっと沢山ありました。これで49号線を走っている時、会津方面から来た観光バスが路面の石にオイルパンをぶつけ中のオイルが出てしまう事故?を見ました。

 整備についても私の知識はとても乏しく、例えばプラグを点検したあと取り付ける際に締め過ぎて緩まなくなったことがありました。プラグホールのネジ溝を潰してしまったのです。
 このバイクにはオイルフィルターがありません。その為、オイルを頻繁に交換しなければなりませんでした。またアクセルワイヤーのリンケージが錆びて固くなったことがありました。またマフラーに小さな穴があき、車検前だったので街の鉄工所で溶接をして貰ったこともありました。マフラーは薄い鉄板でできているので電気のスポット溶接が使えずガス炎で溶接して貰いました。
 ある時、立ち寄った街の小さなバイク屋さんの主人がこのバイクをじっくり見て回り「奇麗に使ってるなぁ」と言ったあと
「タイヤは換えてるな」と自信たっぷりに言いました。大事に使っていましたので傷などが殆どなくエンジンを余り回さなかったので排気パイプのメッキも変色していませんでしたが、積算距離計の数字を見てタイヤが新し過ぎると判断したようです。でもタイヤを交換していませんでした。
「タイヤは交換していませんよ」と伝えると、とても怪訝そうな表情で、交換していないのが信じられないと話しました。かなりスピードも出して走っていましたが、急加速や急減速が殆どなかったのだろうと思います。

 バイクで走るのは楽しかったのですが緊張感なしには乗れず非常に疲れました。クルマと違って運転するのに余裕を持てず、いつも頭の芯が痛かったのを覚えています。おそらく私の体格と体力が足りなかったのだと思います。 
 結婚して半年、購入から2年少しで四輪のNⅢを購入しました。このバイクは下取りをして貰った店で値札を付けて展示されていました。
 今にして思えば二輪車は車検が無く扱いやすい250ccがよいですね。(自動二輪になると車検証も携行しなければなりません)このCB350 は250ccのシリンダー径拡大版ですから見た目は寸分同じだった筈です

1_ CB350 

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